シャーリーとリヴァルに連れられ、向かった先はクラブハウスの一室だった。中へ入ると眼鏡をかけ、黒髪をおさげにした少女と、肩まであるブロンドの髪のエプロンをつけた少女が地面とお見合いしている。 「…何してるんですか、会長。ニーナも。」 よろしく、とはニーナに向かって微笑んだ。 「あ、あった。ニーナ、あったよ。これでしょ?」 生徒会室の下は大きなホールになっていた。ホールの窓際に、ルルーシュと赤い髪の少女――カレン・シュタットフェルトが目を見開いてミレイを見据えている。 「会長、これは…、」 ミレイが料理を運んできたのを二階から見ていたシャーリー、リヴァルは和ァイ、と喜びながら下に降り、その二人の態度にとニーナは顔を見合わせて苦笑した。二人に続くように階段をおり、ミレイが自己紹介したのをきっかけに、シャーリーから自己紹介していった。はもう一度自己紹介したほうがいいのかな、と悩んでいると、カレンの方から自己紹介してきた。 「カレン・シュタットフェルトです。よろしく、クラインさん。」 実はちょっと咬みそうだったの、とこっそりとカレンに告げるとしっかり笑われてしまった。 「シャーリーさん、これ机においてくれませんか?」 リヴァルの言葉にうん、とルルーシュ、カレン、以外が頷いて、テーブルの周りに集まった。 「さぁて、乾杯といきますか!」 気にしない、気にしないとリヴァルは気楽にいうが、シャーリーがだめ!といってリヴァルからシャンパンボトルを奪おうとしたが、それは宙に投げ出され、ルルーシュの手の中に落ち着いた。そのやり取りを、は懐かしく感じながら見守っていると、抜けそうだったシャンパンのコルクが抜け、勢いよくカレンに向かってとんだ。それを目の前で薙ぎ払ったカレンを目撃して、は目を見開く。身体が弱い女の子が、勢いよく飛んでくるコルクの蓋を払いのける事が出来るのか?やろうと思えば動体視力が必要だし、とっさの反射神経もいるだろう。 「「あ…、」」 呟く声にはっとして、カレンを見ると、振られていたシャンパンの中味はカレンの頭から降り注いでいた。 「さん、ごめんなさい、とんでもない歓迎会になってしまって。」 申し訳なさそうにナナリーが声をかけてきたのではそれを苦笑で返した。なんて、なんて平和な一時だろう。 「あれ、ルルーシュはまだ?」 ミレイの提案に、はぁいと返事を返してリヴァル、シャーリー、ニーナが隣の部屋へ移動した。しばらくして、彼らは大画面のテレビを転がして来た。コンセントを繋いで、リヴァルが電源を入れると、画面には公園で出会ったジェレミア卿と呼ばれた男が映し出されていた。 「―――エリア11総督にして、神聖ブリタニア帝国第三皇子のクロヴィス殿下は崩御された。イレヴンとの戦いの中で、平和と正義の為に、殉死されたのだ!」 えぇ?!と以外のその場にいた全員が声を上げた。そこへ、ルルーシュとカレンが戻ってくる。 「お兄様、大変!」 ルルーシュもカレンも息を呑んだのが解った。 『たった今、新しいニュースが入りました!容疑者らしき男が捕まったとの事です。逮捕されたのは名誉ブリタニア人の枢木スザク一等兵。元イレヴンの、枢木スザクです。』 いいえ、ととカレンの声が重なった。結局殆ど手付かずのミレイの手料理を下げ、みんなで後片付けをしているとき、ルルーシュはの手首を強引に掴んでホールから外へ出た。 「どういうことだ?!」 ルルーシュの言葉に、は息を呑んだ。友達、彼と、ルルーシュが。 「う、そ…。」 ルルーシュが何事も無かったかのようにホールへ戻り、リヴァルにどこいってたんだよ、と軽く責められているのを聞きながら、はその場所からなかなか動くことが出来なかった。
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